ART NOTE PARIS

美術とフランスが好きな母娘によるアートな日々のあれこれ

コートールド美術館展 魅惑の印象派

はじめまして、モネリストです。凄まじい台風の後、一気に秋が深まったような…。秋の夜長に大好きなアートに浸りたいなぁということで、このブログを始めました。展覧会やセミナー等の記録ノートも兼ねて、思うことあれこれ綴ってみます。


まずは、現在東京都美術館で開催中の「コートールド美術館展 魅惑の印象派」から。


実業家で美術品コレクターであったサミュエル・コートールドの収集品を中心に、印象派・ポスト印象派の作品がズラリ。印象派ファンの私にとっては涎ものの展覧会。ちなみにロンドンにある本家コートールド美術館は、只今リニューアルの為休館中で2021年に再オープン予定。


展覧会の目玉作品と言われているのは、エドゥアール・マネ《フォリー=ベルジェールのバー》ですが、それと同額でコートールドが入手したというピエール=オーギュスト・ルノワール《桟敷席》も素晴らしいです。

劇場の桟敷席に座る上流階級の女性が描かれているのですが、実は高級娼婦なのではとも言われているとか。1870〜80年代パリの世相を感じさせますね。


一方、美しい風景を描きつつ近代化に向かう社会を匂わせた、大好きモネおじさん❤️や、カミーユピサロの作品もいいです。

 

個人的にはやっぱりモネの《秋の効果、アルジャントゥイユ》が好きです。アルジャントゥイユというパリ郊外の町は、当時のパリの人々にとって今でいうリゾート地のような意味合いを持っていたけれど、鉄道開設に始まる近代化の波が押し寄せ、いつしか工業都市に。しかしモネの中には、以前の長閑なアルジャントゥイユがずっと生きていたのではないか。そんな思いを抱きました。


私は何故かアルジャントゥイユに惹かれます。オルセー美術館で見られる赤が印象的な《アルジャントゥイユのひなげし》も、グレイッシュな紫がかったトーンがかっこいい、マルモッタン美術館の《アルジャントゥイユの散歩道》も!とにかくアルジャントゥイユものに目がない(笑)


…という具合に、挙げればキリがないほど素敵な作品目白押しの展覧会です。私は近々再訪しようと思っています。


ではまた。