ART NOTE PARIS

美術とフランスが好きな母娘によるアートな日々のあれこれ

オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち

こんにちは、モネリストです。


前回に続き、大好きな印象派ならびにエコール・ド・パリの作品が揃い踏みの展覧会について記したいと思います。


「パリに恋した12人」、うーん、私も13人目に加えて〜と全国のパリ好きさんに言わせちゃう絶妙なタイトルですね。その12人が誰なのかは見てのお楽しみということで。

 

この展覧会では、コレクターの画商ポール・ギヨームと、彼の死後コレクションを守り発展させたドメニカ夫人の足跡についてもスポットが当てられています。最近こういうタイプの展覧会が続いていますね。


私が驚いたのは、ポール・ギヨームが画商=富豪のイメージを覆し、なんと中学卒業後に自動車修理工場で働いていたということ。修理工時代の、ある偶然の出会いから、彼の人生は大きく変わっていきます。きっと彼の中に眠っていた商才や勝負勘、人を見る眼力などが次々と開花したのでしょう。

アメリカン・ドリームならぬ、フレンチ・ドリーム⁇


展覧会の核であるルノワールの目玉は《ピアノを弾く少女たち》。暖色でつややかに描かれた2人の少女を観ると、懐かしい「ピアノのおけいこ」を思い出し、笑みが溢れる人も少なくないかもしれません。

 

私はルノワールの《桟敷席の花束》にも惹かれました。

劇場の桟敷席はルノワールが度々描いた主題ですが、花束-特に男性から送られたもの-は、美術における寓意として性的な意味を持つ場合があるようです。

画家の真意はわかりませんが、私はモーブ(薄紫色)のベルベット風の椅子と、くすんだ薄ピンクの薔薇、それを包むグレイッシュな白い紙…それらが織り成す雰囲気がお洒落で、こんな空間が我が家にあったら…なんて思ってしまいます。


色の話でいえば、もう1人忘れてはならない「色彩の魔術師」アンリ・マティス


マティスの7点の中で、私は《三姉妹》と《赤いキュロットのオダリスク》がお気に入りです。どちらもやっぱり「マティス色」が効いています。前者で娘たちの着ているラベンダー色のブラウス、私も着たい!と思うほど。マキシスカートに合わせるか、それともワイドパンツ?なんて空想が広がる!


後者は赤いキュロットの下にレギンスを履いてるのかな、可愛いなとか。部屋のカーテン?壁紙?も、小さなカフェテーブルも、全てが絶妙な色合わせ。いわゆる柄オン柄の上級テクというヤツ。

居るはずのない色彩の魔術師に、インテリアコーディネートの相談をしたくなってしまう。きっと個性的な提案をしてくれるんだろうなぁ。


妄想癖失礼しました(笑)


でも、「人々を癒す肘掛け椅子のような絵を描きたい」と言っていたマティスなら、こんな絵の観方・楽しみ方も許してくれるのではないかと思います。


ではまた。